誰でも一級建築士試験に確実に合格できる方法

平成29年一級建築士試験に合格した僕が、確実に合格する方法を紹介します。

最近の一級建築士設計製図試験は何が変わったのか

 

今回は僕の私的な意見や感想を多分に含むため、注意して読んでいただけるとありがたいです。

 

ここ数年で、一級建築士試験は大きく様変わりしています。

総合資格学院など、資格学校ではその変化に対応しようとカリキュラムやノウハウの大幅な見直しを去年からしていますが、正直本試験の変化はそれ以上に激しいです。

 

そんな本試験の変化について、僕の分析・予想を書いていきます。

 

 

 

設計製図受験生全体のレベルが上がった

設計製図受験生のレベルは年々上がっています。それに伴い、試験の難易度は相対的に高くなっています。

また、一級建築士の受験生の大多数は資格学校に通っていて、最低限の作図能力は全員備えています。

この様な状況から、近年の試験では、建築計画だけではなく構造・設備・環境など幅広い分野の知識を問われるようになってきています。

また、課題文の条件をとりあえず全部満たしてパズルを無理やり完成させたような、「マニュアル対応受験生」を振るい落とすような試験になってきています。

 

課題文の条件を完璧に満たしていても不合格

かつての設計製図試験は、課題文の条件を充たして、作図を完璧に描き切れば合格していたと聞きます。

しかし、現在の一級建築士試験はそんなに甘くありません

平成21年度の試験改訂より、設計の自由度を高めるような試験に変わってきているのです。

つまり、「課題文の条件を充たすのはそれほど難しくはないが、プランの良し悪しをしっかり採点される」ということです。

平成28年度はランク1,2が合わせて69.5%でした。つまり7割の受験生が採点の土台には上がっているということです。その中からプランの良し悪しでランク1が決まります。

 

では、プランの良し悪しとはどこで決まるのでしょうか。

そこで、僕のブログで以前から言及している「建築的常識」が肝になってきます。

課題文の条件を満たしていても、課題文に現れない「建築的常識」をおろそかにしていては受かりません。

このブログでは、「建築的常識」とは何なのか、それを満たしている図面とはどう言う図面かを具体的に説明していきます。

 

課題文の条件を破っても不合格(当然)

 上記のように、課題文自体は易しく、課題文の条件に現れない部分で採点されているのが近年の一級建築士試験でした。

しかし!平成29年度は「課題文の条件を充たすのはそれほど難しくない」試験ではなくなってしまいました

去年受験された方はよく御存じだと思いますが、課題文に条件がてんこ盛りで、平成28年度までとはまるで違う試験だったのです。

 

去年の受験生は、平成28年度までの試験を分析し、「課題文の条件を充たすのはそれほど難しくはないが、プランの良し悪しをしっかり採点される」試験であることを前提に勉強していたため、大きなショックを受けたことでしょう。

顕著に表れたのが客室の向きで、課題文に「すべての客室は湖や名峰の眺望に配慮」、敷地図に南と南東矢印で「湖や名峰が見え景色が良い」と書かれていたにもかかわらず、客室を北の樹林に向けてしまった人が続出しました。

 

結果として、ランク1,2は合わせて58.9%と、前年度より1割も少なくなりました。

合格率も42.4%→37.7%5%もダウンしています。

 

これは明らかに平成28年度までの試験の傾向を引きずり、プランの自由度が高いと勘違いしてしまったことから起こった勘違いです。

資格学校でもそのような指導を少なからずしていたはずです。「プランの自由度が高くなるから、如何にきれいですっきりしたプランに纏められるかが勝負だ」と。

 

試験元も、そうした試験に受験生(というか資格学校)が対応してきていると踏んだのでしょう。平成29年度はかつての試験に逆戻りしたかのような、課題条件の多い試験でした。

冷静に考えれば、課題文の条件を破ってしまえば不合格になるのは当然のことですよね。

 

設備・構造の知識無くして合格なし

もう一つ、近年の試験でどんどん存在感を増しているのが設備・構造に関する出題です。

計画の要点等で書かされる比重もかなり多くなっていますし、建築計画にそれらの知識を組み込んでいかなければ大きく減点されるようになってきています。

設備に関しては、給排水衛生・給湯・空調・消火・昇降機について、構造に関しては、構造種別・スパン・建物全体の形状についてなど、しっかりとした知識を持って計画を行うようにしましょう。

特にこの2分野は実例を知るのがとても有効なので、分からない用語についてはネットで積極的に検索して実例を見ておきましょう。

(用語の例:空冷ヒートポンプパッケージ、空冷ヒートポンプ給湯器、プレストレストコンクリート梁など)

 

さらに踏み込んで、設備の省エネルギー手法や、構造の工夫による経済性の改善など、計画の要点等で書けるようになっておきましょう。

省エネルギー手法はパッシブデザインと絡める方法や、自然エネルギー利用の設備など、新しい実例が世の中にたくさんあります。是非貪欲に調べてみてください。

施工職からしてみると、建物の原価を安くする一番の方法は構造を最適化すること。仕上げの材料を変えるよりも何倍もコスト削減になります。

当然、構造設計者の協力が必要不可欠ですが。

 

作図はプレゼン力が命

設計製図受験生のレベルが上がっているというのは、知識に関してだけではありません。作図に関しても、資格学校の指導やネットでのノウハウ流通により、どんどんレベルアップしています。

それにより、図面のクオリティも高いものが要求されています。単なる図面というより、プレゼン資料だと考えた方がいいかもしれません。

みなさんご存知の通り「簡潔な文章や矢印等により補足して明示する」という指示があります。

これは年々要求が強くなっていて、

 

平成27年「なお、各図面には、計画上留意した事項について、簡潔な文章や矢印等により補足して明示してもよい。」

平成28年「なお、各図面には、必要に応じ、計画上留意した事項について、簡潔な文章や矢印等により補足して明示する。」(語尾が変わった)

平成29年「なお、各図面には、建築計画、構造計画及び設備計画において留意した事項について、簡潔な文章や矢印等により補足して明示する。」(太字)

 

この様に、試験元が段階的に要求を強くしているのが分かります。

試験元は、みなさんがどこに注意して設計しているのかを知りたがっています。

しかも、計画・構造・設備それぞれについて。

計画するうえで考慮した要素は積極的に答案図面の上に載せていくようにしましょう。

「受付から入口~ロビーまで見通しの良い配置計画にした」

「吹抜は安全性を考慮し四辺大梁で囲う計画とした」

「吹抜を通じ各階に自然通風が行き渡るよう計画した」

とか、描けると良いでしょう。

時間が無くても、

「眺望→」

「採光→」

とかだけでも書いてください。

最近の標準解答例を参考にしましょう。

 

よく勘違いしている人がいるのが、作図の見栄えを良くすればいいと、やたらと植栽を丁寧に描くだとか、床タイルに影を付けるだとか、無駄にハッチングこだわるだとかです。

以前の記事でも書きましたが、作図は絵画ではありません。

1秒でも無駄にできない作図の時間をそういったことに割かないで下さい。

 

作図の密度や表現方法については、標準解答例を見るのが最も手っ取り早いです。

資格学校では、標準解答例じゃ不充分などという講師がいるかもしれませんが(実際僕の通っていた所ではいました)標準解答例の表現方法で十分です。

 

平成30年度以降はどうなるのか?

今年の課題発表を受けて、試験はさらに難化することが予想されます。

詳しくはこちらの記事を読んでほしいのですが、

課題発表文に今までになかった防災関連の記述と計画の留意点の記述が加わりました。

これらは、今までは一応採点項目ではあったが多少できなくても減点はそれほどでもなかったものが、今年からはしっかり減点するぞという意思表示に見えます。

 

ただ、心配する必要はありません。

真面目に勉強しているあなたにとっては有利になります。

合格者4割は変わりません。

センスだけの人や、設計の経験からくる勘頼りの人はしっかり落としてくれる試験になるはずです。その分しっかり勉強した人が受かりやすくなるということですね。

 

合わせて読んで下さい↓

www.1kenshikaku.com