誰でも一級建築士試験に確実に合格できる方法

平成29年一級建築士試験に合格した僕が、確実に合格する方法を紹介します。

設計製図試験に合格する為に知らなければならない「建築の常識」とは(1)【建築計画編】

 

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建築的常識とは

一級建築士の設計製図試験では、課題文に書かれている条件以外に、

課題文に書かれない建築的常識=暗黙のルールがウエイトの高い採点項目となっていることは、先の記事で書いた通りです。

 

建築計画・構造計画・設備計画の分野でそれぞれ建築的常識があり、この暗黙のルールの存在が、一級建築士の設計製図試験を分かりにくいモノにさせています。

中でも、建築計画に関する常識が多く、採点ウエイトも高いです。

 

設計職の人間が建築を設計するときにはまずそこから考えていくので、特に意識せずに出来ているかと思います。

しかし、僕のような施工職の人間は、建築物を「モノ」として見てしまうので、課題文の条件をクリアしようとして必死になり、結果的に建築物としては非常に使いづらいものが出来てしまいます。

 

それでは、そんな僕のような全国1万人の施工職の受験生の為に、建築計画においての「建築的常識」にはどんなものがあるのか、

具体的に解説していきます。

 

今回は特に採点ウエイトの高い、「建築計画編」です。 

設計職の人は、そんなの当たり前だよーと思うことばかりだと思いますが、ご了承ください。

 

建築物=システム

まず始めに理解してほしいのですが、建築物を設計することは単に物を作るのでは無くシステムを構築することなんです。

 

優れた建築物かどうかを見分ける判断材料は、

例えば、利用者が建築物を利用するときに特に不自由せずに使えるだとか、

例えば、管理する側が、建築物を運営していくうえで支障になることが少ないだとか、

例えば、近隣に建築物が悪影響を与えないだとか、

そんなことです。

建築物は単なる造形物ではなく、そこに人間が集まり、利用して初めて建築物として成り立ちます。

つまり、建築物は一つの大きなシステムであると言えます。

次に、具体的にシステムを構築するうえで気を付けなければいけない事柄を紹介します。(これが本題)

 

建築的常識の具体的項目(建築計画編)

利用者の動線は分かりやすくする!

まず、僕が最重要だと思うのが、「利用者動線です。

利用者の動線こそがシステムの主軸となるからです。

 

具体的な条件としては、重要度の高いものから

  • 入り口が分かりやすい
  • 建物に入って、どこに行けばいいのかすぐ分かる
  • 管理動線と交差しない

これらが出来ていない図面は確実に落とされます。また、

  • 利用者同士の動線が交差しない
  • 上下足の履き替えがはっきりしている
  • 駐車場からの歩行者動線が安全
  • 車椅子で全ての利用者ゾーンに行ける
  • 避難経路が確保されている(2方向避難)

これらは次点で採点ウエイトの高い動線に関する項目です。

 

資格学校でよく、「廊下をまっすぐ通せ」と言われると思いますが、

これは利用者動線を分かりやすくするための方法なんですね。

エスキスの際、まず室を配置するのではなく、

大まかなゾーンの配置を行った後、

廊下を通してそこにぶら下がるように室を並べていく、と言った手法も、

利用者動線を重視しているためなんです。

 

こう言った条件は具体的には課題文には書いていません。

ですが、守らなければ大きな減点が待ってます。

 

周辺環境にしっかり対応した計画をする!

建築物の中身ばかり気にして、周辺環境を無視した計画だと、これも落とされます

周辺環境に配慮と課題文にも書いてありますが、一口に言ってもどういうことをすればいいのでしょうか。

 

僕は、2種類の基準で周辺環境との対応を考えます。

  • ポジティブな配慮←→ネガティブな配慮
  • 動線的な配慮←→視線的な配慮

ポジティブか、ネガティブか。動線はつながるのか、繋がらないのか。

これらを考えて建築物の四方にあるものに対応していきましょう。

 

例えば、平成29年度の本試験では敷地南側に湖があり、その先に名峰が見える敷地条件です。

南側・南東側は矢印で「景色が良い」と書いてあり、ポジティブな周辺環境と言えます。

また、「建築物の地下1階から湖辺へアクセスできるようにする」ともあります。

このことから、建築物の南面には総じてポジティブな周辺環境があり、地下1階は動線的にもつなげていくということが分かります。

さらに地上1,2階では、客室は「湖・名峰の眺望を配慮する」と書いてあるため、1,2階の客室を南面に向け、視線的な配慮をすることが分かります。

 

エスキスをする前にこれらの情報は必ず全て整理しておくようにしましょう。

 

空間ごとの繋がりを大切にする!

いわゆる空間構成というやつです。

「空間構成って一体何なんだ」と言う人は受験生に少なからずいると思います。

(僕も受験1,2年目は良くわかっていませんでした)

 

空間構成、実はこれもシステムなんです。

ゾーンとゾーン、室と室、共用部と室、共用部と廊下など、役割を持った要素同士の連携が「空間構成」です。

 

室ごとの要求項目を満たして個別に室を配置しても、その室同士の関係性が希薄であっては空間構成が拙いと判断されてしまいます。

 

プランニングする際には、室一つ一つの関係性をしっかり構築してあげることが大切です。

 

建築的常識を身につけるためには?

上記のような建築的常識をゼロから身につけるには、過去の標準解答例や、資格学校の解答例をよく研究することと、実例を見学することが重要です。

建築的常識を身につける前に練習問題を解きまくっても全く効果ありません。

 

まずは、この記事で書いた以下の項目について、自分の解答と学校の解答例を見比べてみて下さい。

  • 利用者動線
  • 周辺環境との対応
  • 空間構成

この3つが建築計画の上での建築的常識だと言えます。

次に、これらを意識しながらエスキスを進めて行けば、建築物としてまとまりのあるプランになります。

細かい部分に拘らず、大枠でプラン全体を捉えていけば、自然と「建築的常識」に則ったプランになっていきます。